
となりの部屋から何度も聞こえてくる声。
重度の緑内障で目がほとんど見えなくなってきている父がパソコンで株の取引をしているときのこと。
「動かさないで!」
「なんで動かしちゃうの?」
そのパソコン操作を手伝う母の声。
重度の緑内障で画面を見るのも大変。
そのうえもともとかなりせっかちな性格の父。
だからわたしはその声が聞こえてくるたびに
「お父さんが先を急いで、勝手にマウスを動かしちゃうんだろうなー。」
と勝手に思っていました。
何週間も。
でも違ったのです。
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「動かさないで!」の理由がわかった日
その頃ネット証券のログイン方法などが変わって、父が何度やってもうまくログインできない時期がありました。
電話でサポートの人とやり取りしながら、母にもそばにいてもらって何度も試す。
でもなかなかうまくいかない。
父はわたしにはあまり頼みごとをしないし、そもそもわたし自身かなりの機械音痴。
父との機械関連のやり取りはそれだけで体力も精神力もかなり消耗する覚悟がいること。
それでもさすがにこれはわたしがやった方がいいかな…
と、かなーり重い腰を上げました。
最初は父のノートパソコンのタッチパッドを使って。
自分のパソコンでもその頃はマウスを使っていなかったから、いつも通りにという感じで。
だけど自分のパソコンとは微妙に感覚が違ってちょっと操作しづらい。
そこで父が使っているマウスに手を伸ばしたら…
使ったとたん「えええええ!なにこれっ!!」
マウスを動かしてもカーソルが思ったところに行ってくれない!
ものすごく使いづらい!
そこで初めて「これ、マウスがおかしいんじゃない?」と気づいた。
AIにも相談してみて、どうやらマウス自体に不具合がある可能性が高そうだと。
そのあとに相談したむっぺさんにも同じようなことを言われたことで
「あーーーーー!!」
と、やっとつながった。
冒頭の母の「動かさないで!」「なんで動かしちゃうの?」の意味が。
父が勝手に動かしていたわけではなかったんだ。
そもそも使っていたマウスがおかしかったんだ!
父の目の悪さと元来のおそろしくせっかちな性格から、わたしは理由を勝手に決めつけていたのです。
気づいてあげられなくて気の毒なことしちゃったな…
こうして急きょ父の新しいマウスを探すことになりました。
そうとなったら今度はわたしが選ぶ
そのことを父に話してマウスを買い替えることにしました。
電気屋さんに行って選ぶという方法もあったのですが、父が行けば当然母も付き添うことになる。
母も体調が万全なわけではないし、そもそもパソコンを使わない。
(冒頭の操作を手伝うというのは文字を読んであげたりキーの位置を探してあげることのみ。)
かといってわたし自身もマウスに詳しいわけではない。
使ってきていないからね。
それでも「ここはわたしが選んだ方がいいんだろうな。」と思い、AIにも相談しながらいくつか条件をそろえていきました。
わたしの父の場合、新しいマウスなら何でもいいというわけにはいきません。
父は高齢。
しかも緑内障で画面がかなり見えにくい。
パソコンが得意というわけでもありません。
毎日使ってきたものだからこそ「新しい機能がたくさんついている便利なもの」より今までと同じように、迷わず使えるもののほうがいいと思いました。
そこでわたしなりに条件を考えて、実際に家電量販店でもマウスを触ってみました。
この前提で選んだのが、「ロジクール Signature M650 L」でした。
父のために考えたマウス選び
大きめのサイズ
選んだのはLサイズ。
高齢者や目の悪い人にとって、マウスは手の延長のような感覚で使える方がいいということだったのでこちらを選びました。
「ロジクール Signature M650 L」 は通常サイズより一回り大きく、メーカーも手の大きい人に向けたサイズとして展開しています。
目安として、手のひら(手首側の付け根から中指先端まで)の長さによって、以下のようにおすすめされています。
19cm以下の方におすすめされているレギュラーサイズはこちらです。
わたしは実際に家電量販店でさわってみて、きっとLサイズが父の手には握りやすいだろうことを確認しました。
手が大き目のわたしが使いやすかったので。
スクロールするときの感触

もうひとつ気になったのがスクロールするときの感触。
父は画面が見えにくいので、目で位置を確認するだけではなく
手元でも操作している感覚がわかりやすいもののほうがいいんじゃないかと思いました。
これも実際に店頭でわたしが触ってみて、スクロールしたときのカチカチとした感触も
以前のマウスよりわかりやすいと感じました。
ホイール部分にギザギザとした凹凸があることも
父が指で操作するのに良さそうだなと思いました。
機能面では「ロジクール Signature M650 L 」には「SmartWheel」が搭載されているので
この2種のスクロールが
ホイールを勢いよく回すだけで切り替えられるようになっています。
色はレッド
そして、色。
5色あるなかで、わたしは父にレッドを選びました。
これは完全にわたしの考えなのですが、父は視力がかなり悪いので、マウスを机の上に置いたときに明るくはっきりした色のほうが見つけやすいのではないかと思ったからです。
実際に父が使う机の上を想像して赤にしました。
これもわたしの中ではかなり重要でした。
というより父の中でですね。
画面が見えにくい父にとって、机の上にあるマウスそのものもパッと見つけやすい方がいい。
少しでもストレスなく使えるようにと。
マウスパッドも一緒に買い替えることにしたので、そちらは赤いマウスが見つけやすいようにカラーは「グラファイト」を選びました。
Bluetoothではなくレシーバーで
「ロジクール Signature M650 L 」はBluetoothにも対応しているけれど、今回は「Logi Bolt USBレシーバー」で接続することにしました。
これは父だけじゃなく、機械音痴のわたしにとっても良かった。
差し込むだけですからね。
それだけじゃなく、父がBluetoothの設定を何かの拍子に触ってしまって
「使えない!」
となるのも避けたかった。
父の場合、今までと同じように使えることそのものが大事だと思ったのです。
電池交換の回数も少なくしたい
M650 Lは単3形乾電池1本で使えて、Logi Bolt接続時は最長24か月の電池寿命とされています。
もちろん実際の使用状況によって変わりますが、頻繁に電池交換をしなくてよさそうなのも父が使うものとしてはよかったところです。
「そのくらい経ったら、わたしが一度確認すればいいかな。」って。
サイドボタンはあえて無効にした

「ロジクール Signature M650 L」 には、戻る・進むなどに使えるサイドボタンがあります。
このボタンを自分好みのショートカットにカスタマイズすることもできます。
とても便利な機能なのですが、今回はあえて無効にしました。
父にとって必要なのは「今まで使っていたマウスと同じように使えること」だったからです。
ボタンが増えればその分「間違えて押してしまう」という可能性も増えます。
そこでわたしがLogi Options+を使って設定し、サイドボタンを使わない状態にしました。
こういうところを自分でカスタマイズできるのも、M650 Lを選んだ理由のひとつです。
最近になって少しずつわかってきたことがあります。
高齢になると、
「新しい便利な機能を覚える。」より
「今までの習慣のまま使えること。」の方が楽な場合がある。
父の場合は特にそうなんだと思っています。
届いた日にすぐ確認!
マウスが届いたらまずはわたしが設定!
Logi Boltのレシーバーを接続。
サイドボタンを無効にする。
そこまでやり終えてはじめて父に使ってもらいました。
カーソルを動かして、クリックして、スクロールして。
「今までのは酷かったから。」ととっても喜んでくれました!
そりゃそうだ。壊れていたんだから。
だけどその「壊れている。」ということにわたしは長いこと気づいてあげられなかった。
今回はそこに気づけたことも含めて本当に良かったと思います。
その後も今のところ問題なく使えています。
クリックの感触はどうだった?
わたしが少し気になっていたのがクリックの感触です。
M650には「SilentTouch」という独自の静穏技術が使われています。
店頭で触ったときわたしには、以前父が使っていたマウスよりクリックが軽く
やわらかく感じられました。
父は長いあいだ別のマウスを使っていたのでここは少し心配でした。
「今までと感触が違うけど、大丈夫かな。」
そう思っていたのですが、実際に父に使ってもらったところ特に問題はなさそうでした。
ここはわたしが心配していたよりあっさり解決しました。
今回わたしが父に選んだマウスとマウスパッド


マウスパッドは今まで使っていたものがかなり傷んでいたので一緒に買い替えました。
ほんの少しでも毎日の作業のストレスが減ればいい。
それだけです。
※私が購入した時点での情報です。製品仕様・電池寿命などは使用環境によって異なります。
📝店主メモ
今回マウスを買い替えようと思ったきっかけは
「お父さんがマウスをうまく使えていない。」
と思ったことでした。
でも実際には父ではなく、マウスの方に問題があった。
人の行動を見ていると、つい「この人がこうしている理由はこれだ。」と自分のなかで答えを作ってしまいます。
でも実際には全然違うこともある。
今回はそれを身近なところで実感しました。
そして何より目が悪く、高齢で機械音痴の父に
「使いやすいものを選んであげる。」だけじゃなく、「その人が今までどう使ってきたか。」まで考えること。
それが今回のわたしにとってのマウス選びでした。
目はこれからも悪くなっていきます。
あとどのくらいパソコンを使えるのかもわかりません。
だからこそ、今の父が少しでも快適に使えていることが大事だと思っています。
マウスひとつだけど、わたしには結構な仕事でした。
「機械音痴のわたしの、機械音痴の父のためのマウス選び。」
AIに相談しながら最後に決めたのはわたしでした。
「これで大丈夫かな?」と実際に使ってもらうまでは少し心配でした。
だから喜んで使ってくれているのを見た時はちょっとした達成感がありました!!
父は今もこのマウスを快適に使えています。
これを選んでよかった。
ちなみにわたし自身のパソコン環境も、もともとは整っていたわけではありません。
父のマウスを選んだ頃のわたしは、まだ床に座ってノートパソコンを使っていました。
そこから少しずつ、自分の作業環境も変わっていきました。
